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仕事の撮影が終わり、編集者に「尾崎さんが興味ありそうな所に連れてきますよ。」と新宿のとある雑居ビルの一室に連れて行かれた。
男性数人と医療関係の仕事をしている女性と販売員で仕事帰りの女性が2名カウンターでお酒を飲んでいる。反対側にはソファーが数個置かれ、ソファーに囲まれた広い空間が真ん中にある。
編集者からオーナーを紹介され、普段から持ち歩いている写真集のポストカードを見せながら少し自分の話をし、カウンターで一緒に飲み始めた。
女性2名にヌードの写真を撮っている話をし、撮らせてもらえないかと話を進める。2人共に了承を得た後、反対側の空間にバックヤードから出してきたマットレ スのベッドを置き、撮影場所の準備進める。ベットを準備する隣で既に女性は服を脱いだ状態で待っている。準備が終わったことを女性に告げるとベッドの上で 少し恥ずかしながら二人は絡み始めた。それをファインダー越しで見ながら、私はコンパクトカメラのシャッターを切る。「母親が死ぬまで、母親とするSEX が一番気持ちよかった」とカウンターで近親相姦の性癖を話していたスーツ姿の中年男性がその状況に興奮したのであろう、ズボンを下げ、マスターベーション をし始める。それを横目に私はシャッターを切り続ける。
結局、私も普通の感覚と違っていて、一般常識で考えれば異常であると他人から思われるのだろうと最近考える。色々と言葉で説明するのではなく、結局は人間の欲望のようなものを写真に撮りたいという普通と違う性癖みたいなものが私の中にあるのかと。
またこういう状況を直面するとどこまでが日常と地続きで、どこからが非日常なのか、その境目がドア一枚なのかと感じてしまう。
マスターベーションを行う男性に私が、「彼女達がOKならば、あの中に交じってみてはどうですか?」と尋ねると、「こっちの方が気持ちいい。」とそのまま自 慰行為を続けた。それを聞いていたカウンターに座っていた男性の一人が「交じっても大丈夫ですか?」と私に問いかけて来て、それを聞いていた女性二人も OKと返事が来て、男性は服を脱ぎ、女性2名の間に入っていった。
そのまま私は目の前の人達に向け、シャッターを切り続けた。